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日記、雑記、時々ペイント

田舎とド田舎の狭間で

家を出る15年ほど前まで、実家の目の前は広々とした田んぼだった。

2階のベランダからはその田んぼを越えた先にある駅がはっきりと見えていて、2時間に1回やってくる電車は常に1両編成。たまに2両になっているのを見つけるだけでテンションが上がっていた。

政令指定都市での一人暮らしを始めてから程なくして、自分の住んでいた場所が田舎ではなくド田舎だと悟った。

とにかく人が多い。緑より人のほうが多い。電車は次々やってくるし、ホームが複数あるなんて聞いてない。陣取りゲームの如くコンビニが乱立し、誰もいない時間帯なんて無かった。

違う場所で15年以上生活している間に、実家の前にあった田んぼが埋め立てられ、7,8軒の家が建った。そこからあれよあれよという間に近くの道路が広がり、30戸ほどのアパートまで完成。残っている田んぼもどんどん建売住宅に生まれ変わり、いわゆる『住宅地』っぽくなった。

もうド田舎とは呼ばれないが、親から「梅雨時の夜にカエルの合唱が聞こえなくなった」と聞いた時は何となく寂しい気持ちになった。

実家に帰って5ヵ月目にしてようやく踏切の遮断機に止められたので、そんなことをふと思った31の昼。