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日記、雑記、時々ペイント

ハンドパワーは人の命を操れるか

誠に唐突ながら2回目の映画紹介である。ハロワが再びメンテナンス中で年明け早々ネタが無くなったわけではない。たぶん。

なお前回紹介したのは『十二人の怒れる男』。これはオススメ。

hamu-oh.hatenablog.com

今回の作品は2016年公開のアメリカ映画『ブレイン・ゲーム』。主演はアンソニー・ホプキンス(『羊たちの沈黙』のレクター博士が有名)で、ジャンルはサイコスリラー(?)らしい。

・あらすじ

FBIのジョー・メリウェザーとキャサリン・カウルズは、とある連続殺人事件の捜査に行き詰まっていた。そこでジョーは、かつてコンビを組んでいた元医師のジョン・クランシー(アンソニー・ホプキンス)が隠居する田舎の家を訪ねる。

ジョンには『自身が触れた人や物の過去と未来が断片的に見える』という予知能力があり、ジョーはそれを使って捜査に協力ほしいと依頼する。ジョンは過去の出来事から一度は断るが、ふとカウルズに触れた時に『カウルズが血まみれになる未来』を予知し、捜査の協力を了承する。肝心のカウルズは自身が精神分析の専門だからか、超能力自体に否定的だった。

能力を駆使して事件の真相を探っていくうちに、ジョンは犯人が自分と同じ予知能力を持っていることに気づく。周囲の人間どころか、予知能力を持つ自分自身すらも操る強大な能力を持つ相手がいる。そして犯人の狙いは自分だと確信する。

犯人の目的は何なのか?無差別に見えた一連の被害者の共通点とは?カウルズの血まみれの未来の真相は─────

 

最初はタイトルから「SFチックな能力バトル物かな」と思っていたが、ゴリゴリのアクションというものは無かった。アンソニー・ホプキンスもいい歳だからね、仕方ないね。しかし犯人を追いかけるシーンでは随所で予知能力を踏まえた映像トリックがあり、「おぉっ」と思う部分もあった。

とはいえ現実に無い超能力を扱う以上、どうしてもツッコミどころのある設定も出てくる。「その能力でこれは避けられないの?」とか「相手が上位互換なのにここは出し抜けるの?」みたいな疑問もあったので、人によっては作品をチープと見なしてしまうかも知れない。

後は急なフラッシュバック演出も、グロテスクなものが苦手な人は心の準備ができなくてびっくりすると思う。自分も苦手なので「おぅふ」となる場面がいくつかあった。後で調べたらR15+じゃないか。

どこまで言っていいのか分からないが、作品の根幹は超能力どうこうではなく最近話題に上がる『安楽死尊厳死』という重いテーマであり、それについて非常に考えさせられるいい作品だった。原題が"Solace(癒し)"とテーマに沿っているのに邦題がそこにフォーカスしていないのはマイナス。そこに突っ込んでいるレビュアーも何人かいた。

一部登場人物について不明なままの部分があるので「超スッキリ!」という感じにはならないかも知れないが、「自分がそれぞれの立場ならどう思うか」という点に焦点を当てると、決して「観て損した」と思う作品ではないと思う。

映画のレビューは難しいワ。