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日記、雑記、時々ペイント

グレートですよこいつはァ

無職の利点として、「平日の日中に放送しているテレビ番組を観ることができる」という点が挙げられる。昔学校を病欠した時に観た『いいとも』は何だか特別感があった。

普段ははてなブログにかじりついたり就活サイトを巡ったりしているのでテレビは流し見程度だが、NHKBSで放送している『グレートレース』は面白くて割と見ている。

「そもそもグレートレースとは何ぞや?」という人のためにざっくり説明すると、『まともじゃない環境をまともじゃない距離走るレース』である。

主なレース会場は世界各国の山々(または砂漠だったり北極圏だったり)で、総距離150~350キロほどの道を数日に分けて走ることになる。道と言っても大半は未舗装のでこぼこ道であり、場所によっては選手が迷子になるぐらい草の生い茂った急斜面を走ったりもする。

ただでさえ天気が急変しやすい環境の中を数時間かけて走るため、世界各国から集まった選手達でも完走できないことが多々ある。もはや命がけと言っても差し支えない極限状況のレースである。

参加選手はレースごとにバラバラで、世界中を走り回っている有名ランナーもいれば、地元開催と言うことで近隣諸国のランナーが参加するパターンもある。日本人参加者も時々いて、日の丸を背負って大自然に立ち向かっている。

ただ走るだけでもキツイのに、レースごとに駆け引きやドラマがあって面白い。昨日の再放送では『最新の道具を揃えた世界的ランナー』と『開催地の過酷な環境に慣れている現地民族』とのデッドヒートが繰り広げられ、目が離せなかった。

世界的ランナーのほうはプライドが高いのか翻訳の演出なのか、「僕はプロで彼はアマだ」とか「彼のペースじゃどうせ持たないよ、最後に勝つのは僕さ」みたいな悪役ムーブで面白かった。

グレートレースは自分の理解を遥かに超えた世界のため、一般的なスポーツ観戦のように茶々を入れられる瞬間も無く、ただただレースの過酷さに圧倒される。出てくる言葉は「はやっ」「これ道じゃねえよ……」「うへぇ」等々、自分のIQの低さが露呈するリアクションばかりである。

何よりこの番組のいいところは、放送に関わる人物がナレーター(のナレーション)だけという部分にある。

今のテレビ番組は常にどこかしらにワイプがあったり大きなテロップがちょくちょく出たり、映像そのものよりスタジオの人をアピールすることが多い。そういう点ではNHKは大人しめというか、映像の内容を伝えることを重視しているように感じる。

こういう番組がもっと増えてくれたらなぁ(大声)。ついでに受信料を何とかしてくれたらなぁ(小声)。