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日記、雑記、時々ペイント

オレ オマエ トモダチ

今日も今日とてコインランドリーで洗濯物を畳んでいたら、一人のお客さんがやってきた。

時々見る60代ぐらいのおっちゃんで他の人と同様に挨拶だけするのだが、今日はとうとうその人に「にいちゃんよく会うね」と声をかけられた。毎日使ってりゃいつかこうなると思っていたが、まさか今日だとは。

完全に虚を突かれたので身体をびくつかせて「んぁえっ!あっ、そうですね~」としか返事できなかった。定型文の挨拶だけならまだしもコミュ障にとって世間話はハードル高いのよ……。

二の矢に備え、急いで昔の仕事モードに頭を切り替えて対応。「この前初めてここの管理人を見たけど毎日掃除やっとるんやね」と言われたので「あっ、私もよく会いますよ。掃除機とかかけてくださってすごい助かります」と返し、「毎日やってくれとるけぇ国道側の古いとこを使わんようになったわ」「あはは、やっぱり綺麗なところのほうがいいですよね~」とつつがなく世間話を成立させることに成功した。言葉選びや喋る速さに問題が無いか脳内チェックしまくりで内心冷や汗ダラダラである。

何往復かの会話の後、今度は「毎日来るってこたぁにいちゃんも洗濯好きなんじゃろ?」と変化球が来た。そういう引き出しは持ってないぞ……!

家族内で半ば強制的にランドリー係に任命されているだけなのだが、脳内で「にいちゃん『も』ってことはこの人は洗濯好きか。つまり仲間が欲しいんだな」と解釈し、「結構好きですね~、ここであったかい洗濯物を畳むのは楽しいです。本当は外に干したいんですけどこの時期は全然乾かないんすよねぇ」とプラスアルファを付け加えて切り返し。即興で考えたにしては上手くいったと思いたい。

仲間を見つけたことに気を良くしてか、向こうからは「ランドリー内で畳まなきゃシワが寄る」とか「若い客がカゴにそのまま詰めて帰るのが信じられん」とかどんどん話題が出てきたので帰るタイミングを失ってしまった。結局その人が両替するタイミングでそれとなく切り上げて「じゃあお先に失礼します~」と退散。

一度ペルソナを被ったせいで、今度からあのおっちゃんの前では洗濯大好き人間として過ごさなければならない。一人暮らししてた時にゴミ屋敷一歩手前だった自分は果たして演じきることができるのか。

次回『無職死す』、デュエルスタンバイ!