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日記、雑記、時々ペイント

タイパ?コスパ?たこパ!

近頃(と言っても年単位だが)『タイパ』なる言葉が流行っている。ポケモンの新シリーズかと思ったがダイパとは違うらしい。平成初期からある費用対効果(コストパフォーマンス)という言葉に対して時間対効果(タイムパフォーマンス)を表す造語(?)である。

言葉自体は最近生まれたものだが、世のお父さん方が朝食時に新聞片手にコーヒーを飲む、というのもある意味タイパの高い行動と言える。そう考えると「ながら〇〇」は大体タイパがいいのかも?※ながらスマホは危険なのでやめましょう。

若いうちからインターネットに触れて「世界には数えきれないほどの情報がある」という事実を知ると、限られた人生の中で少しでも多くの情報を取り入れようとするのは極めて自然なことだと思う。メディアリテラシーを高めて情報を正しく取捨選択することができれば、AIさながらの成長速度で知識を蓄えた人間になることができる。

 

その一方で物議を醸しているのが、タイパの代表格ともいえる「倍速視聴」である。

動画サイトや録画機器には再生速度を変える機能がデフォルトで付いているが、あらかじめ録画した番組を1.2~1.5倍速ほどで視聴するのだという。これは若者だけでなく、忙しいサラリーマンや主婦も使っているらしい。

あくまで持論だが、確かにこの機能を使えば視聴にかける時間を短縮できるが、その効果も減らしてしまい、タイパは結局変わっていないのではないかと思う。

特にドラマや映画は、その脚本と俳優による演技(その他背景や小道具etc.)で作られるものである。例えば「主人公が葛藤の中、悩みに悩んで決断を下す」というシーン。等速で観れば、その数秒あるいは十数秒の表情の変化から「主人公は何を思い浮かべ、どういう結論を出そうとしているのか」等を察することができる。監督の意図が読めなくても、少なくとも「自分が主人公でこれだけ悩むならこういうことを考えているかも」という想像はできる。

これが倍速だと「主人公は悩むが決断を下した」という受け取り方しかできない。表情はコロッケのものまねさながらの変化を見せるし、その情報が無いから主人公の葛藤も「自分が知識として知っている『葛藤』」の域を越えることが無い。

誤解を恐れず言えば、『映画・ドラマ』ではなく『映像付きのネタバレサイト』を見ている。『鑑賞』ではなく『視聴』。

同じ作品を短い時間で観ているのにその効果が減って(変わって)いる。だからタイパは変わっていないと自分は思っている。ともすれば、その作品を倍速で観てしまったばっかりにタイパの低い結果となってしまうこともあるのではないかとも思う。

「お前は情報処理速度が遅いから等速でしか見られないんだよ」とか「俺はこの作品にそんな重きを置いてないからいいんだよ」というのも分かる。自分もニュースでは必要な情報が分かればアナウンサーの表情は気にしていないし、食事時に流れた映画(最近だとエンドオブシリーズ3作、ジェラルドバトラー強すぎワロタ)はあらすじぐらいしか覚えていない。

倍速視聴の意見が分かれるのは、それぞれの映像に対して人がどれだけの価値を感じているかがバラバラなせいだと思う。

 

まとまりがつかなくなってきた。一人でたこパしたい(タイトル回収)。