ハロワとリクルートサイトを反復横跳びしているが、30を超えると求人数は目に見えて減ってくる。年齢制限が無い企業は当然ながら即戦力となるようなスキルを求められる。
在職中に何社か受けて書類で落とされたり面接で落とされたりで結局内定は貰えていないが、正直「あなたは何ができますか」と言われても回答に詰まるのが現状である。
なんせ在職中は「自分はこれができますよ」と胸を張って言えるものが本当に無かった。営業成績は下から数えたほうが早いし、PCスキルも必要に迫られた時に調べて何とかするのでお世辞にも自分のスキルとは言えない。
唯一、市内の標語キャンペーンで3年連続入賞したことは成果と言えるかも知れないが、「他人よりほんのちょっと上手いこと言えますよ」なんてアピールにもならない。別に吉本に入りたいわけでもないので、それを活かせる職は特に無い。物おじせずに上手いことを言えるメンタルも無い。
更に言えば、「何ができるか」どころか「何をしたいか」さえはっきりしていない。
高校で進学校を選んだのもいい大学に行くための土台作りだったし、文理選択で理系を選んだのも将来の選択肢が多かったからだし、大学に行ったのも大卒カードが就職に有利だったからだし、新卒でインフラに就いたのも食いっぱぐれないからだった。
何者にもなれる準備をしていたのに、結局何者にもなれなかった。
退職から4ヵ月、「何ができるか」は無くとも「何をしたいか」ぐらいは決めなきゃいかんなと思った31の昼。
