実家に帰って暫く経つが、下っ腹の自己主張が止まらない。
質量保存の法則は人間の身体にも適用されるので、支出より収入が少なくなれば自動的に痩せる。
いたってシンプルな構造である以上、支出を少しでも増やすためにちょくちょくウォーキングもしているが、それを補って余りある収入が邪魔をする。
現在は家族4人で暮らしており、両親は共働きで帰宅がそれなりに遅い。兄は病気のため無職である。
朝はパンを食べ、昼は料理好きの兄と健康志向の料理を作っているが、時間は基本14時~15時とやや遅い。
これは、両親の入浴後を考慮した夕食の時刻が21時以降という遅さから逆算した結果である。あまり早くお昼を食べると空腹感からお菓子とかに手を出してしまいそうになる。お菓子はダイエットの天敵よ。
そして夕飯は両親が買い物に行ってエコバッグにぶち込んできた健康度外視の食品の数々。「半額だったからたくさん買っちゃったけどこれ好きでしょ?」と反省の色も見せずテーブルに並べてくる。
「半額を2個買ったら定額だろバカモン」と思っても子は親に逆らえないので大人しく食べる+残ったら自分が処理班となるので大抵お腹いっぱいになる。満腹は夕食で一番やってはいけないというのに……。
そのまま22時半頃まで和気藹々と食事を取るのでそうそう早く眠るわけにはいかない。
仕方なく0時手前まで布団で軽くストレッチをしたりブログの購読リストを眺めたりする。この時点で理想的な睡眠時刻からはかけ離れているのでほぼ諦めムード。
そして0時にようやく眠れると思ったのも束の間、今度は同室の兄が軽く1時過ぎまで部屋の電気を点けっぱなしにしてスマホゲーで遊びだす。幸い音は出していないが、照明が眩しくてなかなか寝付けない。
外国では「明るい環境で眠ると肥満率が上がる」という研究結果が出ている。もう終わりである。
ニット帽を目深に被り、ワイヤレスイヤホンでα波が出るというヒーリングサウンドを聴きながら何とか眠っている。
こんな環境なのも相まって、早いとこ仕事を見つけたいというより早く一人暮らしを再開したいと切実に感じている小太りの無職である。