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日記、雑記、時々ペイント

カメを知り己を知れば云々

我がブログ内で『カメムシ』という単語を使った記事が20以上あったので、開き直ってカメムシについて説明しようと思う。

現在自分の身の回りに現れているカメムシは『クサギカメムシ』と呼ばれる種である。一般的に想像される緑色の小さい種(アオクサカメムシ)と違って全体が暗褐色で、サイズも2cmぐらいとかなりでかい。羽を広げて飛んでる時は更にでかい。

写真はwikiにも載っているので、閲覧する場合は自己責任でお願いします。

このクサギカメムシは多食性で様々な植物に手を出すので農家にとっても害虫なのだが、更に厄介なのはこいつの成虫で、冬を越すために近くの民家に逃げ込むのが常習化しているので衛生害虫と呼ばれている。

大きな体格に似合わず2mmほどの隙間があれば平気で侵入してくる。少し古い建物だともうフリーパス感覚で入ってくる。ダクトテープ等の対策が不可欠であろう。

刺激を与えると脚の付け根からアルデヒド類の液体を出し、それが瞬時に蒸発して筆舌に尽くしがたい臭気を発する。発生源からあまりに近いと吐き気を催すレベルだが、これはカメムシ自身にとってもダメな臭いらしく、狭所で臭いを出して勝手に死んでるパターンもよくある。進化の過程で少しは改善しろと言いたい。

地元周辺(山陰地方)では、このカメムシは昔から『はっとうじ』と呼ばれている。

その昔、岡山県備前に八塔寺(はとうじ)というお寺があったのだが、そこから托鉢に来る僧尼が長らくお風呂に入っていないため悪臭を放っていることから、子供達が面白がって「八塔寺が来たぞ」と言いふらしたのをきっかけに臭いカメムシもはっとうじと呼ぶようになったらしい。いつの世も子供は残酷なのよ。

ちなみに、カメムシを捕まえる時は「ええ女房ええ女房」と口ずさむのが習わしである。刺激で臭いを出されないようご機嫌取りのために歌うとか。20年ほど前だが祖母も生前よく歌いながらガムテープでひょいひょい捕まえていた。

今はカメムシ駆除の知識がネットで簡単に共有されるようになった。我が家の主流は灯油トラップである。

コーヒー豆のビンの半分まで灯油を入れたものを用意し、壁や天井に引っ付いているカメムシに近づけるだけでポトリと落ちてくれる。理由は分からないが、なぜか灯油の成分によって弱体化し、飛んだりすることもできなくなる。

初めは灯油の海をバシャバシャと泳いでいるものの、しばらくすると動かなくなり、灯油の比重でゆっくり底に沈んでいく。

元気なタイプはビンと反対方向に急いで歩くので、ビンをそのまま這わせるとやがて足を滑らせて落ちていく。床にいる場合は蓋をかぶせるとやはり動きが鈍くなるので、専用の割り箸でつまんでビンの中にポイする。臭いも灯油に消されるのか、長いこと抵抗されない限りはほぼ無臭で捕まえられる。

何十匹も捕まえたビンは外から見てもなかなかグロテスクなので、黒のビニールテープで外周や底面を目隠しするのが主流である。上のほうはそのままにしておくとカメムシをちゃんと捕まえられたか確認しやすい。

一応カメムシ用に「臭いを出す前に殺せるぜ」みたいなスプレーを持っているが、暖かい時のカメムシは体力が有り余っていて処理が間に合わないことがある。とにかく気温が低いと露骨に動きが鈍くなるので、凍結系のスプレーでもいいんじゃないかと思ったりもする。

昨夜も寝る寸前に「ブゥン」という羽音が聞こえて飛び起きた。照明の周りを飛んでいたのでスプレーで弱体化させた後ビンに詰めてやったが、眠気も完全に覚めるし心臓に悪いしで本当に絶滅しないかなと常日頃思っている。

以前も書いたがカメムシは本当に警戒心が弱いので、ドアノブや階段の手すりにいることに気づかず握ってしまうことも稀にある。そこから先が地獄絵図なのは想像に難くないだろう。

こいつらが生態系に与えてる影響はプラス面よりマイナス面のほうが大きいだろうと勝手に思い込むぐらいにはストレスを感じているので、早く緑の少ないアパートで一人暮らししたいですわ。