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日記、雑記、時々ペイント

五月雨を 集めて早し 家の前の用水路

今週のお題「レイングッズ」

傘の手元にテプラで印刷した自分の名前を貼り付けても会社で盗まれた無職である。

先日家の納戸を掃除している時に、いかにも長年開けていないようなミカン箱が出てきた。

恐る恐る中身を見てみると、亡くなった祖父が保管していた折り畳み傘(専用ケース付)が何点も入っていた。

物の価値が分からない節穴アイの自分でも、一目で高級感が分かるレベルの代物だった。

役所勤めでエリートコースを走っていた(本人談)祖父はコートやスーツだけでなく、身の周りの小物類にも気を遣っていて、ついでに収集癖もあった。

当時から両親は「使わない消耗品を集めてどないすんねん」と辟易としていたらしいが、実物を並べてみると、確かにこれは雨が降っても差したくない。

祖父はなかなかプライドが高く、贔屓や談合というものを心底嫌っていた。

役職が上がって周りから露骨なプレゼントを渡されても全て突っぱねたり、相手に押されてつい貰ってしまった祖母には返しに行かせたりもしていたらしい。

祖父いわく、「こういうことは後々必ず弱みになる。上に立つ人間が潔白でなくてどうする」とのこと。圧倒的な主人公ムーブである。

結果的にかなり上の役職まで就いて定年退職と理想的な人生を歩んでいた。自分とは大違いである。

こっちは今流行りの『管理職になりたがらない若者』としてうだつの上がらない毎日を送り、しまいには無職になってるんだから笑っちまうぜ。

閑話休題、自分は折り畳み傘というものを一つも持っておらず、自家用車にコンビニのビニール傘を置いている程度である。

今後どこかの会社に就職して電車通勤をするようになれば折り畳み傘を持つようになるかも知れないが、祖父の遺した高級折り畳み傘が似合うレベルになるのは来世に期待したほうが良さそうである。